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結論、JASSO(日本学生支援機構)の返還期限猶予は、経済困難や失業なら通算10年(120か月)が上限です。ただし傷病・災害・産休育休中などの事由には、この10年という縛りがありません。上限が近づいたら、負担を減らして返還を続ける「減額返還制度」に切り替える時期です。
「いつまで待ってもらえるんだろう」と、猶予の願い出をしながら不安になる人は多いはずです。終わりが見えないまま先送りするのは、こわいですよね。ひとりで抱え込まなくても、だいじょうぶです。
ゆっくりで、かまいません。
この記事では、JASSO公式の情報をもとに、猶予の上限年数・減額返還との違い・使い切ったあとにできることを整理しました。
- 一般猶予の上限は通算10年(120か月)。傷病・災害・産休育休中などはこの制限を受けません(JASSO公式)
- 減額返還の上限は通算15年(180か月)。返還の総額は減らず、期間が延びるだけです
- 猶予は1年ごとに願い出が必要。審査中も督促・口座振替の請求は止まりません
- 上限を使い切ると返還が再開されます。次の一手は上限が来る前に考えておきましょう
奨学金の返済猶予、上限は何年まで?
結論から言うと、経済困難や失業を理由にした「一般猶予」は、通算10年(120か月)が上限です(JASSO公式)。これまで使った分と、これから使う分をあわせて数える上限になります。
ただし傷病・災害・生活保護受給中・産前産後休業や育児休業などは、この10年という制限を受けません。事情が続く間は、何度でも願い出られるとJASSOは説明しています。給付奨学金の返還も、10年の上限はありません。
在学中の猶予は、また別のしくみ
在学中に使う「在学猶予」は、2020年4月以降の適用期間が通算10年(120か月)で、卒業(予定)年月まで先送りできます。「猶予年限特例」等の返還期限猶予は、対象者が限られる代わりに適用期間の制限がありません。
| 区分 | 上限期間 | 主な事由 |
|---|---|---|
| 一般猶予(制限あり) | 通算10年(120か月) | 経済困難・失業・新卒等・特別研究員・海外居住 など |
| 一般猶予(制限なし) | 上限なし※注1 | 傷病・災害・生活保護受給中・産休産後育休・大学校在学・海外派遣 |
| 在学猶予 | 通算10年(120か月) | 大学・大学院等に在学中(2020年4月以降) |
| 猶予年限特例等 | 上限なし | 一部の対象者のみ(平成24〜29年度以降採用者) |
▶ 上限があるのは、主に経済困難・失業を理由にしたケースです。※注1 災害は同一原因なら発生から原則5年が限度になります。
返還期限猶予と減額返還はどう違う?
猶予とよく混同されるのが「減額返還制度」です。目的がまったく違うので、迷ったらこの違いで選んでください。
減額返還制度は、毎月の返還額を2分の1・3分の1・4分の1・3分の2のいずれかに減らして続けるしくみです。止めるのではなく、負担を軽くして続けるイメージです。
| 項目 | 返還期限猶予 | 減額返還制度 |
|---|---|---|
| 毎月の支払い | その期間はゼロ | 当初額の1/2・1/3・1/4・2/3のいずれか |
| 上限期間 | 通算10年(制限なしの事由あり) | 通算15年(180か月) |
| 延滞していても申請できるか | できる | できない(延滞解消が条件) |
| 向いている人 | 収入が一時的にゼロに近い人 | 収入はあるが、当初額はきつい人 |
▶ 収入がほぼゼロなら猶予、多少は払えるなら減額返還が向いています。JASSO公式も「将来への負担を少しでも軽くするために」減額返還制度の利用をすすめています。
猶予を使い切ったら、どうなるか
ここが一番、不安に感じるところでしょう。正直に言うと、上限に達したあとの扱いを詳しく説明した専用ページは、今回JASSO公式では見つけられませんでした。
ただし、公式ページの説明から言えることはあります。猶予は「通算10年が限度」とされているしくみです。
承認された期間が終わると返還が再開され、返還終了年月もその分先送りされます(JASSO公式)。10年という枠を使い切れば、同じ理由(経済困難・失業など)で新たに猶予を積み増すことはできなくなる、と読むのが自然です。
そもそも猶予は、返還すべき元金や利子が免除されるしくみではありません(JASSO公式)。先送りしているだけなので、いつかは返さなければなりません。だからこそJASSOは、猶予だけに頼らず、減額返還制度への切り替えを案内しています。
あせらなくても、いまのうちに知っておけば、それでじゅうぶんです。ここまでの話でいちばん伝えたいのは、猶予は終わりのない先送りではない、ということです。いつかは向き合うときが来ますが、いまのうちに流れをつかんでおけば、そのときになってあわてずにすみます。
とはいえ、猶予には通算10年という上限があり、今どれだけ使っているかで、残りの選択肢は変わります。
経済困難や失業を理由にした一般猶予は10年で頭打ちになりますが、傷病や災害、産休・育休中はその制限を受けません。事由によって扱いがまるで違います。
理想は、自分の事由がどちらに当てはまるかを、上限に達する前にたしかめておくことです。
もし経済困難や失業で猶予を何年も使っているなら、減額返還への切り替えを早めに窓口でたしかめておきましょう。
自分の猶予はあと何年使えるか、窓口でたしかめてみる
0570-666-301は通話料が本人負担です(無料通話・定額プラン対象外とJASSO公式に明記)
猶予より先に、もう延滞してしまっている人へ
猶予の審査中でも、督促や口座振替の請求は止まりません(JASSO公式)。すでに延滞しているときは、猶予とは別に、今日中にやるべき手順があります。
減額返還を選ぶときの条件と注意点
減額返還は誰でも使えるわけではありません。4つの条件をすべて満たす必要があります(JASSO公式)。
収入の目安と、見落としがちな条件
経済的理由の目安は、給与所得者で年収400万円以下(扶養する子が2人なら500万円以下、3人以上なら600万円以下)です。願出・審査の時点で延滞していないことも条件のひとつです。すでに延滞している人は、先に解消してから申請することになります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 収入の目安 | 給与所得者は年収400万円以下(扶養子2人なら500万円以下、3人以上なら600万円以下) |
| 延滞の有無 | 願出・審査時点で延滞していないこと |
| 口座振替 | リレー口座(口座振替)加入者のみ利用可能 |
| 返還方法 | 月賦返還であること(年賦などは変更が必要) |
▶ 口座振替(リレー口座)に入っていないと、そもそも減額返還を選べません。まだの人は先に加入手続きが必要です。
もうひとつ、見落としやすいポイントがあります。減額返還の適用中に2回連続で振替不能になると、延滞発生時にさかのぼって適用が取り消されます。当初の返還月額で計算した延滞金も、まとめて加算されます(JASSO公式)。
負担を軽くするためのしくみが、逆に重くなってしまうケースです。口座の残高には、いつも以上に気を配っておきたいところです。
申請は毎年やり直す:手続きの実務
返還期限猶予は、1回申請したら終わりではありません。延滞していなければ1年ごとに出し直します。延滞しているときは、延滞開始年月から12か月ごとに、猶予願と証明書がいります(JASSO公式)。
審査には時間がかかりますが、審査中でも口座振替請求・払込通知書の発送・督促は止まりません。「奨学金返還期限猶予承認通知」が届くまでは、請求そのものは続くとJASSOは知らせています。
必要な証明書は事由によって変わります(マイナンバーを提出済みなら省略できる証明書もあります)。添付書類や記載事項の不備で返送される例が多いともJASSO公式は呼びかけています。貸与されたすべての奨学金について返還誓約書の提出がないと、そもそも審査そのものが始まりません。
早めに動いたほうがいい理由
猶予の願い出には、提出できる時期が決まっています。延滞していない人は、猶予を始めたい月の3か月前から前々月末までに提出するのが原則です(JASSO公式)。
期限を過ぎても受付・審査はしてもらえますが、受付順に処理されるため、希望した月から猶予が始まらないことがあります。逆に4か月以上前に出すと、時期尚早として返送されることがあるため、気をつけましょう。すでに延滞している人は、これらの目安より先に、できるだけ早く提出するようにとJASSOは知らせています。
- 証明書の準備に時間がかかる(事由によって必要な書類が変わる)
- 受付順の処理なので、遅れるほど猶予開始も遅れやすい
- 不備があると返送され、また一からやり直しになる
- 審査中も請求・督促は止まらないので、放っておいてもようすは変わらない
ひとつずつこなしていけば、思ったよりも早く前に進めます。むずかしく考えすぎなくても、だいじょうぶです。
「借りて埋める」より先にやること
返還がきびしくなると、ほかの借入で一時的に埋めようと考えることもあるでしょう。ですがこれは根本的な解決にならず、あとから利息の分だけ負担が増えるだけです。
まず確かめたいのは、この記事で紹介した猶予・減額返還という公的な制度を、使い切れているかどうかです。どちらも審査はありますが、費用はかかりません。新しい借入を考えるのは、それでも足りないときの、最後の手段だと考えてください。
いそがなくても、じゅんばんに進めていけば、だいじょうぶです。ひとつずつ、ゆっくりで、かまいません。
あなたはどのケースに近い?状況で確認
「人による」で終わらせず、ケースごとに次の一歩を整理します。どのタイプでも、まず動いてみることが大切です。いまから動けば、じゅうぶんまにあいます。
あわてて猶予を使う前に、減額返還の条件(年収の目安・口座振替加入)に当てはまるかたしかめておきましょう。上限の年数を使わずに済みます。
一般猶予の対象です。猶予開始希望月の3か月前から前々月末までに、証明書をそろえて提出しましょう。
10年の上限を気にしなくてよい事由に当てはまる可能性があります。診断書など証明書の内容を、事由ごとの必要書類でたしかめてください。
同じ理由での積み増しは難しくなります。減額返還への切り替えを考えつつ、早めに奨学金相談センターへ今のようすを伝えておくと安心です。
知恵袋にみる「猶予、いつまで使える?」に悩む人の声
同じように悩んでいる人の声を見ておくと、自分のようすを客観的に見つめ直すきっかけになるはずです。
この質問者は、妊娠・出産を理由に半年ほどの猶予を考えていました。回答を受けて、こう返信しています。
妊娠・産前産後休業は、実は10年の上限を気にしなくてよい事由にあたります。理由が「弱いかどうか」より、事由に当てはまるかどうかで判断されるということです。
猶予は「消える」のではなく「延びる」という感覚は、この回答がよく表しています。
こうした「うっかり」を繰り返す不安がある人ほど、延滞する前に、猶予や減額返還という公式な手段を考えておく価値があります。
よくある質問
ここでは、よくある疑問をまとめました。
Q. 奨学金の返済猶予は誰でも申請できますか。A. 「誰でも」ではありません。傷病・災害・経済困難・失業などの事由に当てはまり、証明書を提出して審査を通る必要があります。
Q. 猶予の申請をすると、何か損をすることはありますか。A. 元金や利子が免除されるわけではなく、返還が先送りされるだけです。猶予した期間の分だけ、完済の時期は後ろにずれます。
Q. 猶予の申請が通らないことはありますか。A. あります。証明書の不備などで審査に通らなければ、返還を続けることになります。
Q. 猶予と減額返還は、両方同時に使えますか。A. この記事の範囲ではたしかめられませんでした。個別の状況は、奨学金相談センターに直接たしかめてください。
Q. すでに延滞している場合も、猶予は申請できますか。A. 申請自体は可能ですが、できるだけ早く動く必要があります。延滞している人向けの手順は、別記事「奨学金の返済が遅れたときにやるべきこと」でくわしく整理しています。
まとめ:猶予は「先送り」。上限が来る前に次の一手を
- 一般猶予の上限は通算10年(120か月)。傷病・災害・産休育休中などは制限を受けません
- 減額返還の上限は通算15年(180か月)。負担は減っても、総額と期間は消えません
- 猶予は1年ごと、延滞中の減額適用取消にも注意。手続きは早め早めが安全です
- 上限が近づいたら、減額返還への切り替えと窓口相談を早めに考えましょう
猶予は、返還そのものをなくすしくみではありません。先送りできる時間には限りがある、という前提で使うことがポイントになります。
今日できる一歩は、自分の事由が10年の上限に当てはまるのかどうか、奨学金相談センターにたしかめてみることです。ひとつずつ、じぶんのペースで進めていけば、だいじょうぶです。あわてなくても、まにあいます。
とはいえ、猶予や減額返還を使えても、元金や利子そのものが消えるわけではありません。
2年間猶予すると、40歳で終わるはずだった返還が42歳までのびる、という知恵袋の例もありました。減額返還も、当初の返還総額は変わらず期間だけが延びます。
理想は、上限の10年・15年に近づく前に、次にどうするかを決めておくことです。
もし半年や1年で終わりそうにないなら、早めに奨学金相談センターや法テラスに、今のようすを伝えておくと安心です。
法テラス・サポートダイヤルの窓口を見る
法テラス公式に「【無料】今すぐ電話」と表示されています(弁護士・司法書士の無料法律相談は別枠・収入等の条件があります)
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猶予や減額返還で奨学金の負担を減らせても、家計そのものが赤字続きなら、また同じことの繰り返しになりかねません。焦りの正体を分解して、続けられる貯金のしくみを整理した記事です。
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